2011年04月27日
ジャンプ20・21合併号、ONE PIECE ワンピースの感想です。
以下、ネタバレになりますので、ジャンプを読んでいない方はご注意ください。
■■前回の感想/次回の感想■■
【タイトル】
第622話 タイヨウの海賊団
【巻頭カラー】
ブロックで家を造る麦わらの一味。
一味って、自然な形で役割分担ができてて、いい感じですよね。
ルフィは自由に、ゾロは力仕事、ウソップは機会担当で、サンジは食事、みたいに。
ブルックて他のメンバに比べるとまだよく分からないところが多いけど、
自分の帽子を作っちゃうあたり、マイペースというか自分が大事って感じなのかな~。
【本編】
■タイガーが見たもの
マリージョアで奴隷解放を行い、魚人島の英雄となったフィッシャー・タイガー。
前回、「竜宮城に用事がある」って話していましたけど、やっぱり事前に相談に行ってました。
うーむ・・・。タイガーは何を見たんでしょう。(ネプチューン王)
おぬし・・・今回の旅で一体何を見た・・・!!
(フィッシャー・タイガー)
――人間です!!!
「人にあらぬ扱いを受けている」「奴隷なんてのは生き地獄でしょう」と言っているので、
魚人族が奴隷として差別を受ける現場を目撃した可能性が高そうですね。
ただ、タイガーが言う"人間"が「種族としての人間すべて」を指しているのかと言えば、
ちょっと違う気もします。彼に救われたハンコックは、
と言っていますし、オトヒメ王妃は、種族として人間は嫌っていても 奴隷達に区別せず
何千人ものあらゆる種族を解放してくれたのじゃ
(53巻)
と話します。世界を見て回る冒険家であるタイガーなら、普通の人間の事も知っているでしょうし、私達は片寄ったごく一部の人間にしか触れていない
奴隷を欲する人間がごく一部である事も理解しているはず。
「あいつら」はごく一部の人間を指しているのだと思いますし、殺したら負けなんだ
あいつらと同類になりてェのか!!?
最後の一線を守れ
おれ達は誰も殺さない
おれは自分の心の奥に住む"鬼"が一番怖い
それに、多くの人間の中に内在する負の一面であること・・・・。
タイガーは、人間と同じ一面が自分達(魚人族)にもあることも十分分かっていて、
何より、自分自身が復讐に取り付かれ、負の面が表に出ることで、
"人間"と同じになることを恐れているんですね・・・。
■世界会議(レヴェリー)とオトヒメ王妃の思想
オトヒメ王妃は、タイガーが起こした事件以降も署名活動をしていました。
世界政府加盟国から除名されたかどうかは、ちょっと分かりませんが、
と、今後も世界会議で魚人島の地上への移設を訴えるつもりのようです。今は無理でも
7年後でも11年後でも15年後でも
構わない
気になるのは「7年後」「11年後」「15年後」という数字の並び・・・。
整理してみると、世界会議は4年毎に開催されて、
前話の16年前に世界会議が開催されるとオトヒメ王妃が話をしていて、
今話は15年前の話ということになるので、
・16年前(署名集まらず、提出できず?)
・12年前(今は無理でも)←次の会議は無理でもって意味かな?
・8年前(7年後でも)←ドラゴンが危険視された時の会議です。
・4年前(11年後でも)
・現在(15年後でも)
という感じになるのかな。ふむふむ。ということは、15年後ってちょうど現在にあたるので、
今年、ついにオトヒメ王妃の願いが叶うということになりそうですね・・・。
■解放と自由と革命軍
この目的って、「革命軍」「ドラゴンの思想」と重なる部分ですよね。(フィッシャー・タイガー)
このタイヨウの海賊団は「解放」と「自由」
それ以上の意味はもたねェ
ロビンが飛ばされたテキーラ・ウルフでは、強制労働を強いられる奴隷達を解放するため革命軍が登場。
ルフィ・エース・サボがいたゴア王国では、貴族世界から隔離された人々を救い、
と「自由」を掲げます。自由の為 共に戦う意志がある者は
この船に乗れ
(60巻)
15年前のタイヨウの海賊団と10年前の革命軍。種族は違えども目指すところは同じように思います。
タイガーとドラゴン、この二人に接点はあるのでしょうか。
もしも、タイガーがこの後命を落とさなかったら、二人の「解放」と「自由」が重なり、
今頃はもっと大きな力になっていた気もしてきます。
■ボルサリーノさんの正義って
ちょっと若い黄猿さんが出てきました。15年前は中将だった様子。
しかし、気になるのは彼の後ろに書かれていた、

「~ずの正義」。
青キジは「だらけきった正義」で、赤犬は(たぶん思考的に)「徹底した正義」ですよね。
じゃあ、黄猿はその中間と言うことになると思いますが、
中途半端という意味で「どっちつかずの正義」でしょうか。
天竜人に振りまわされてる立ち位置を考えると、
「逆らわ(え)ず」とか「言い返さ(せ)ず」とかも合っている気もしますけど。
まぁ、一番の謎はなぜここを隠したのかってことなんですが・・・。
■タイガーと少女と奴隷の生き方
12年前、とある島(グランドライン?)で、タイガーは元奴隷の少女と出会います。
名前はコアラ、11歳。その島の航海術では故郷に連れて行けないため、
タイヨウの海賊団に預けられる事になりました。
コアラは笑う事、謝る事、決して泣かない事、殺さないで欲しいと懇願する事しかできず、
常に怯え、誰にも心を許せない程、今でも奴隷の生き方が染み付いてしまっているようです。

奴隷という生き方・・・
思えば、元奴隷だったハンコックもコアラと同じような感情を見せていました。
奴隷として受けた傷は深く、誰にも心を開けず、過去を消す事もできない・・・。非道いものだった
なんの希望を見出せず・・・
死ぬことばかり考えていた
誰かに気を許す事が恐ろしい
(53巻)

でも、タイガーはコアラの奴隷の烙印を太陽のマークに変え、少女に言うのです。
泣きゃいいじゃねェか!
おれ達とあの"天竜人(バカども)"と
一緒にすんじゃねェ
おれたちは誰も殺さねェ
行くぞお前ら・・・
こいつは必ず故郷へ送り届ける

タイヨウの海賊団に涙を見せるコアラ
フィッシャー・タイガー、漢前ですねェ・・・。
(初登場時、普通のおっさんみたいって書いて本当にごめんなさい・・・)
コアラの心を開かせたタイガー、それに、ハンコックの心を開いたルフィ。
この二人にも何か共通するものを感じます。
あと、このタイガーの心意気も素晴らしいのですが、後ろで、ハチをはじめとした他の海賊が、
「行くぞ!」ってしてる場面も好きですね。タイガーの「解放と自由」の元、一つになってる感じがして。
まだ賛同し切れていない(ように見える)ジンベエや、この場面に映っていないアーロンが
何を思っているのが気になるところですけど。
というところで、今週は終わり。
タイガーがどんな人物で、タイヨウの海賊団が何を求めていたのかが徐々に分かってきました。
けれど、この先で待ってるのは、タイガーの死と海賊団の分裂・・・。
やはり、このコアラの一件がすべての鍵を握っているんでしょうか。。
なお、今週は合併号でしたので、次回のジャンプは5月9日(月)発売ですね。
■■前回の感想/次回の感想■■