モンキー・D・ガープについて考えてみました。
以下は最新号のジャンプのネタバレを含みますのでご注意ください。
■なぜガープはダダンに…?
「ガープはルフィとエースを海兵にしたいのに、なぜ山賊のダダンに預けるのか…?」 ダダンが山賊である事が分かって、さらに高まるこの疑問。。
海兵にしたいと思うなら自分で育てるなり、コビー達のように海軍の中で育てればいいじゃないかー。
「海軍の英雄」ならそれも許されるんじゃない??
その考えるのは当然ですよね。分かります。
ただ、このような行動をとったのにもいろんな背景があるはず。
その辺を中心にガープについて、いろいろと考えてみたいと思います。
■ロジャーからエースを引き受けた背景とか
ガープは無理やりロジャーに押し付けられる感じでしたが、その彼の頼みを聞くことになります。
この二人の関係がどの程度のものだったのかは分かりませんが、
ガープはポートガス・D・ルージュを匿い、生まれたエースを自分の故郷で育てようとします。
しかし、
「生まれてくる子に罪はない」とは言え、この行為は海軍の
「正義」から反したものです。
ある意味では最大の
「裏切り行為」とも思えるこの行動。
それに、これまでのガープの言動を見ても
「絶対的正義」や「世界政府」を信じて、
海兵をやっているわけではなさそうなんですよね。
そして、ガープは何十年も海兵をやっていて、中将という地位にまでついた人間。
海軍の内情や世界政府の意図は十分に理解しているはず。
そんな彼が
「正義」に反してもエースを育てようした理由…
・
ロジャーの意志を尊重した(
Dの名・Dの意志が関係している)
・自分の身を賭してエースを生んだルージュの気持ちに心動かされた
・ガープとルージュは何かしらの血縁関係がある(根拠なき推測)
などいろいろと思い巡らせてしまいますが、
ガープも
「Dの意志」の事を知っていて、エースを育てる事でその意志を受け継ごうと考えた気がしています。
(結果、そのロジャーの意志はエースに、そしてルフィへと受け継がれる事になるわけですから。)
■エースを生かすためには何が必要か
世界政府が海賊王"ロジャーの血"を根絶やしにしなければならないと考えている以上、
その
存在自体が「罪」となる。
何よりもエースを生かすためにどのような環境が必要なのかをガープは考えるはず。
もし、ガープ自身でエースを育てようとすれば、海軍・世界政府に知られる可能性は高くなりますよね。
海軍(青キジ、つるなど)の関係者に預けても結果は同じ。
それに、ガープと言えど
「世界政府」を説得するのも無理でしょう。
結局、"最弱の海"と呼ばれ世界政府や海軍本部から遠く離れた"東の海"で、「自分の故郷」、
そして、
世間から身を隠さなけれ ばならない山賊という人間に預けることが、
エースの存在を知られないため、そして
エースを生かすためにはベストだったということでしょうか。
■ルフィをダダンに預けたのは?
今から10年前、
エースが10歳でルフィが7歳の時にガープはルフィをダダンに預け一緒に修行させようとします。
ルフィをダダンに預けた理由を考えると、
「エースを気にかけて」というのが大きかったように感じています。
(ガープ)おいエース 最近荒れとるらしいな
(エース)ジジイには孫がいるんだろ?そいつは…幸せそうか?
(ガープ)ああルフィか 元気に育っとるわい
(エース)おれは生まれてきてもよかったのかな…
(ガープ)そりゃおめェ生きてみりゃわかる
このやりとりは印象的な場面ですが、会った事のない
ルフィの存在を意識するエース。
そして、
生きる意味を見出せずに悩むエースを見つめるガープ。
この場面を読み返すとガープはあえて二人をあえて引き合わせ、
『ルフィをエースの「生きる意味」にしたいという意図』が感じられるですよね。
まぁ、ガープの事なのでそこまで深くは考えず、直感的なものだったのかもしれませんが。。
これも結果論ですが…、
二人の出会いでエースは
ルフィの"兄"として生きる希望を持ち始めるわけです。
この辺は次回以降詳しく分かるはずなので、置いておきます。。
■ルフィとエースを海兵にすることは本当にできたのか…
で、本題と言うかこの疑問。
ガープはエースとルフィを
「最強の海兵にしたかった」とよく口にしますが、
本当にそんな事ができたんでしょうか。
エー ス自身はこう言っています。
迷惑なことにおれもルフィも
世界的大犯罪者の血を引いてんだ
海兵なんてなれるわけねェ…
自分が世界からどのように思われているのか…
自分は存在してはならない人間…
それは、幼い頃の経験から
エース自身が一番理解していたはず。
センゴクはエースがスペード海賊団として名乗りを上げたとき、
「D?どこの出だ?」と言っています。
そして、最終的にエースがロジャーの子であることも突き止めてしまうわけです。
エースの出生を隠して海兵にしてもいつかは突き止められてしまうでしょう。
逆に出生を明かして海兵にしようとしても、海軍は赤犬など
「絶対的正義」を主張する将校がほとんどなわけで、
ロジャーの子を受け入れられるはずがないとも思います。
それに、世界政府も決して認めないでしょう。
それは、たとえガープが
"海軍の英雄"であっても…
ルフィもエースが言うように同じなんですよね。
今の時代では死んだロジャーよりも、実はドラゴンの血の方が危険度は高いように思ったりしますし。
だから、ルフィもエースと同様に、その存在自体が許されないわけで、
ルフィも初めから海兵になれるわけがないように思うんです。
■"海軍の英雄"ガープの責任はどこへいくのか
貴様が"海軍の英雄"と呼ばれていな ければ
一族すべての責任を取らせるところだがな!!
ガープ!!
海賊王の息子を育て、自分の息子は革命家、そして、孫は海賊で数々の事件を起こす。
ルフィが暴れている報告を受けるたびにいつも喜んでいるようにも見えるガープですが、、
彼の責任問題にならないのがかなり疑問なところです。
"海軍の英雄"という名声にはそれを補っても余るほどの価値があるという事でしょうか。
それに、ガープが過去にどれ程の活躍をしたのかは興味があります。
もしかしたら、ロジャーを捕まえた功績はすべてガープのモノになっていたのかも。
ロジャーはガープのところへ直接出向いて自首をした?
一番上に掲載したロジャーとガープの場面はその直後のようにも思えます。
あと、実はセンゴクがガープの事を
「世界政府に報告していない」ような気もしています。
エースがロジャーの息子であり、彼を捕らえたことは世界政府に報告しているとは思いますが、
ガープ関係の情報はセンゴクが伏せているようにも思うんですよね。
■「自由」、そして「夢」と「運命(さだめ)」
0巻でガープが言った台詞。
自由にやるにはこれ以上の地位はいらん

ガープの周りに「サウロ、つる、青キジ」がいるのも
気になる場面。
(ONE PIECE 0巻より)
ガープが海軍に居続ける理由とその本心は分からないところは多いですが、
ただ、ガープも
「自由」を求め海兵をやっているようです。
「自由」はロジャー、ドラゴン、ルフィ、エースに共通して見えてくる信念で、
「Dの意志」とも深く関わるテーマだと思います。
フーシャ村の村長はルフィが海賊になった事を
「夢か運命(さだめ)か」とつぶやきます。
きっと
「Dの名を持つ者」は海賊、革命家、海軍…、その立場に関係なく
「自由を求め続ける使命」の様なものがあるのだろうと感じてしまうんです。
だからこそ、ガープも二人を強制的に海兵にするような事もしなかったとも思うんです。
最終的には本人の「意思」に委ねなければならないと。。
処刑台の上で見せたこの苦痛な表情。。
そして、結果的に何もできず、エースを死なせてしまったガープは今何を思うのだろう…
後悔…無念…無力感…正義への疑念の高まり?…
「正義」に反してまで、家族としてエースを守ってきたガープの心中は計り知れないものがありますね。
おしまいです。
「まとまりがない感じ」が強い記事になりましたが、ご了承ください。m(__)m
映画のDVD早くでないかなぁ…