ワンピース ゾロとミホークと強さの果ての話

2011年06月18日

はいっ。ということで、ミホークとゾロと強さの果て、の話です。

■ゾロの野望

ゾロの夢は「世界一の剣豪になること」
それはゾロ自身の野望であり、親友くいなとの約束です。
で、ルフィの仲間になる時、ゾロはこんなことを言っていました。
腹を切っておれにわびろ ゾロの台詞
さそったのはてめぇだ
野望を断念するようなことがあったら
その時は腹を切っておれにわびろ!

(1巻)
ゾロはあくまでも自分の野望のためにルフィの仲間になりました。
もともとゾロにとって野望がすべて。他に優先されるものは何もなかったはず。
例えそれがルフィの命であっても・・・です。

ですが、ルフィ達と旅をしていく中でゾロの大切な何かは変化していきます。
象徴的だったのは、スリラバークでのこの場面でした。

バーソロミュー・くまとロロノア・ゾロ

船長一人守れねェで
てめぇの野心もねぇだろう

(50巻)

ゾロは自らの野望を捨て、バーソロミュー・くまからルフィを守ろうと懇願するのです。
二人の約束のとおりなら、本来命を差し出さなければならない(腹を切らなければならない)のは、
ルフィの方だったはず。ですが、逆にルフィを守るために命を差し出したのはゾロでした。
ゾロの中で野望を超えるものが見つかった瞬間だったと私は思います。

■土下座と野心に勝るもの

そんなゾロですが一味がバラバラになった後、また土下座をします。
今度の相手はなんと宿敵の鷹の目のミホーク

おれに剣を教えてくれ
「おれに剣を教えてくれ」
(61巻)

ここでゾロが取った行動は、ミホークに剣の教えを乞う事

世界一の大剣豪になる為には目の前にいる敵を倒さなければならないのですが、
その本人に向かって「剣を教えてくれ」と言い出したのです。
この言葉を聞いたミホークが「恥を知れ」「お前を過大評価していたようだ」と吐き捨てたように、
剣士のプライドを捨てていると言えます。この時、ゾロの中で一体何が起きたのか・・・。

続けて、なぜ敵と見定めながら頭を下げ教えを乞うのか、何の為にだ!と問われたゾロは、

お前を超えるため ロロノア・ゾロ
お前を超える為・・・
(61巻)

と答えます。ゾロはあくまでも自分の野望を口にします。
ゾロの求めるものは今も昔も何も変わっていません。

ミホークに勝つために海に出て、自分の野望を叶える為にルフィの仲間になる。
東の海でミホークに果敢に挑み、敗北してもなお大剣豪になることを誓う。
そして、ここでもすべては「お前を超える為」だと言います。

でも、求めるものが変わらなくても「求める理由」が昔と今では大きく変わっていたようなのです。
ミホークはそこに気付き、ゾロの気持ちを代弁してくれます。

野心に勝るものを見つけたようだな
お前のような男がプライドを捨てるときは
必ず誰かの為だと決まってる
(61巻)

敵に教えを乞う恥をかいてまで、ミホークを超える強さを欲しがるゾロの心の中にあったもの。
それは誰かの為に強くなりたいという気持ちでした。

他の仲間たちが、ルフィの3D2Y(3日後じゃなく、2年後に集合しよう)」のメッセージを見て、

チョッパー「お前の力になれるならおれは本物の怪物にだってなりたい」
サンジ「お前が海賊王になる為におれは料理人として世界一のサポートをしてやる」
ナミ「だから助けてあげるの 今度は私が」
ブルック「何かお役に立つ方法は・・・」
ロビン「誰かの為に強くなりたいなんて考えた事もなかった」
フランキー「だからルフィ 乗り越えて行こうぜ 新世界の荒波も」
ウソップ「お前が海賊王になる為に おれは本物の狙撃の王様になってみせる」

と、みんながルフィの為に強くなりたいと誓っていたように、ゾロもルフィを海賊王にするために強くなりたい。
その一心の末に出た土下座だったわけで、ゾロの本心は
「ルフィを海賊王にする為に、お前(ミホーク)を超える強さを手に入れたい」なのです。
だから、プライドを捨てても、見栄えのしない行為であっても、ミホークに教えを懇願したのだと思います。

思い返すと、二人が出会ったときにルフィは言います。

世界一の剣豪と海賊王
いいねぇ世界一の剣豪
海賊王の仲間なら
それくらいなってもらわないとおれが困る
(1巻)

ゾロが世界一の剣豪になってもらわないとルフィは困るのです。
ゾロが世界一の剣豪にならなければ、ルフィは海賊王になれないのです。

自分の夢は互いの夢、ルフィの海賊王とゾロの大剣豪の夢は出会ったときから繋がっていたように感じます。

■ミホークは何の為に

反対に、ミホークは何の為にゾロに剣を教えるのでしょうか。
本人も言いますが「自分の首を狙う剣士を自分の手で育てる」という、
理不尽な願いをなぜ受け入れるのでしょうか。

ミホークは東の海で出会った時からゾロに何かを感じていた事は間違いありません。

敗北が何かを教え
「生き急ぐな・・若き力よ」と殺さずに生かした事からも分かります。
それに「おれを超えてみよロロノア」という言葉は、
自分を超える者がロロノア・ゾロであって欲しいと望んでいるかのようです。

このおれを超えてみよ ミホーク
おれを超えろ!
(6巻)

元々、ミホークがゾロに特別な気持ちを抱いていた(一目を置いていた)事も理由の一つだと思います。
けれど、決め手はゾロが誰かの為に強くなろうとしていたからです。
とは言っても、自分を倒す相手に剣を教えるのはやはり理解が難しいところ。

で、そのヒントは「コウシロウの教え」「強さの果て」にあるような気がしています。

■コウシロウの教えと最強の剣

アラバスタのMr.1戦。鉄を斬る事ができなかったゾロは「自分に足りないものは何か」と、
師匠コウシロウの言葉を思い出します。

いいかい 世の中にはね
何も斬らないことができる剣士がいるんだ
だけどその剣士は鉄だって切れる 同じ刀でね
(21巻)

ゾロはこの教えを思い出し、何も斬らない剣が「ものの呼吸を聞き、剣にその意志を伝える事」だと悟ります。
「呼吸を聞くこと」。これもコウシロウが教えたかった事の一つなのですが、
一番に伝えたかったのは次の部分だと思うのです。

最強の剣とコウシロウとゾロ

"最強の剣"とは・・・
守りたいものを守り斬りたいもの斬る力
(21巻)

野心や野望のために振るう剣は剣ではない・・・。
守るべき相手(仲間)がいて、その為に振るう剣こそが最強の剣だと教えているのです。

東の海でゾロの剣はただの野心に満ちた凶暴な剣でした。
けれど、今ミホークの目の前にいるゾロには守りたい相手(仲間)がいて、
守りたいもののために剣を極めようとしています。

コウシロウの最強の剣とミホークがイメージする最強の剣が同じものかどうかは分かりません。
でも、東の海で感じた「心力の強さ」。そして今回の「守りたいもの」
今のゾロに自分を超えるために必要なものが揃っている・・・、
そう感じたからこそミホークは剣を教える気になったのだと思います。

■強さの果てとルフィの夢の果て

最後に、なぜミホークはゾロを最強の剣へ導き、自分を超えさせようとしているのかという話です。
東の海での戦いの中、ミホークはゾロに聞きます。

何を背負う
強さの果てに何を望む
(6巻)

「強さの果て」。それは世界一の大剣豪になった先に何を望んでいるのかという事なのですが、
この時のゾロは何も望んでいなかったように思います。最強がすべてでしたから。

で、私は今でも何も望んでいないと感じてしまうのですが(ゾロの性格的にも)、
「ルフィを海賊王にする為に、世界一の大剣豪になる」と決意したゾロにとって、
「強さの果て」はルフィの「夢の果て」に自然な形で繋がっていくのだと思います。

【参考】
タイトルはエースですが、この中で、ルフィの夢の果ての話をちょっと書きました。
ワンピース ポートガス・D・エースに起きた出来事の意味を考える

ミホークはマリンフォード頂上決戦で、ルフィの強さをこう感じます。

能力や技じゃない
―その場にいる者達を次々に自分の味方につける
この海においてあの男は
最も恐るべき力を持っている!
(57巻)

ミホークはルフィの目指すものが海賊王であることも、
シャンクスが次の時代を懸けた男であることも知っています。
そのルフィの恐るべき力を目の当たりにした時、ゾロとルフィ、この二人が作っていく
新しい時代を見てみたいとミホークは思ったのかも知れません。

いいチームだ
また会いたいものだな
お前達とは・・・・
(6巻)

東の海で二人に感じた何かが、確信に近づいたからこそ、
自分を超える力をゾロに与えようと思ったのではないのかなと、思ったりするわけです。

■あとがき

思えば、シャンクスもルフィに「ほう・・・おれたちを超えるのか」と言って、大切な麦わら帽子を託しています。
シャンクスとミホーク・・・、かつては敵だったようですが、新しい時代に懸けるという想いは一緒なんでしょうか。

ただ、気になっているのは、ルフィとシャンクスには「戦う理由」は見当たらないんですけど、
ゾロはミホークと戦い、倒さなければならないんですよね。
師匠と弟子の関係になっても、敵であることは変わらないわけで。。

ゾロがミホークを超える日がいつくるのか・・・、どのようにして超えるのか・・・。
うーん、わくわくです。。

というところで終わりです。
ここまで読んでいただいた方、おつかれさまでした&ありがとうございますm(__)m


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お前を超える為!
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ワンピース 魚人島と空島の比較とルフィが戦う理由

2011年04月24日

魚人島編を読んでいて、空島と同じような雰囲気を感じてる人も多いのではないでしょうか。
上空1万mや海底1万mなど立地や設定に関わる部分もそうですし、物語の背景や流れとか。

というわけで、こじつけ、プチ妄想も多々ありますが、まとめてみました。
以下は、ジャンプ最新号(19号まで)の内容を含んでいますので、ご注意ください。




空島編 魚人島編 もやもやコメント
島の設定とか
場所 上空1万m(白々海) 海底1万m
行き方・帰り方 [行き]ノックアップストリーム
[帰り]タコバルーン
[行き]下降海流&海底火山噴火・スルメ(クラーケン)
[帰り]???
邪魔者 黒ひげ海賊団 デッケン一味 島に行く前に邪魔されるのはお約束?
一味の出迎え ワイパー ハモンド いきなり襲われたりするのもお約束??
一味の入国方法 不法入国(入国料未払い) 不法入国
体への影響 空気が薄いため、動きづらい(すぐに慣れたけど) 水中は不利ですが、特に影響なし?
島の案内人 コニス(&スー) ケイミー(&パッパグ)
神の国スカイピア リュウグウ王国(世界政府加盟国)
島の仕組み 海雲と島雲 陽樹イヴにより地上から光と空気が送られている そういえば、空島に海楼石あったけど魚人島は?
アイテム ダイアル バブリーサンゴ 空島は貝で、魚人島はサンゴ。
ストーリーとかテーマとか
住民の憧れとか夢 ・スカイピアの住民は植物を育てる大地(ヴァース)に憧れ、先住民から土地を奪う。
・シャンディアは先祖の故郷(ヴァース)を取り戻すために戦う。
 ・オトヒメ王妃は人間との友好と、王国の地上移設を説く(タイヨウへの憧れ?)
 ・タイガーは、人間との決別を決意し、タイヨウの海賊団を結成する
 ・空島は大地、魚人島は太陽に憧れる?
・エネルは月(限りない大地)を夢見ていた。
争い 大地(ヴァース)を巡るスカイピアとシャンディア(先住民)の対立 人間に対する友好派と敵対派の対立 島の争いに巻き込まれるのはいつもの事。
裁きを受ける 神(エネル)に逆らう者は天の裁き 人間に血液を差し出せば、闇夜の裁き
予言 エネル(サバイバルゲームの生き残り人数) マダム・シャーリー(ルフィが魚人島を崩壊させる) エネルの予言は外れました・・・
船(箱舟) 「箱舟」マキシム 魚人街「ノア」の後ろにある箱舟 マキシムは月へ行った・・・、ノアはどこへ?
ポーネグリフ あり(黄金都市シャンドラの大鐘楼) あるっぽい(海の森の奥?) ロビン捜索中。。
歴史 ・800年前、ポーネグリフを守るため敵と戦った
・400年前、ジャヤの半分が空島へ
・ヴァースの奪い合いが始まる
・遥か数百年前、ノアらしき先人達の夢叶わず
・魚人・人魚は「魚」に分類されていた
・200年前、世界政府加盟(交友を発表)
人物とか関係とか
王と友人 ガンフォール(元神)とロジャー ネプチューン王と白ひげ 現在、魚人島はビッグマムに守られている
人物 "探検家"モンブラン・ノーランド 冒険家フィッシャー・タイガー ノーランドは「黄金郷」を見つけました。タイガーは冒険で何を見てきたのか。
見聞色の覇気 アイサ(心網) オトヒメ王妃 二人とも生まれつきのようです。
その他、気になるところ
サブタイトル 「狂想曲」など音楽に関わるものが多い いまのところは普通のタイトル?
ルフィの敵は誰か 神・エネル デッケンorホーディ?それとも中枢の差別体質?
ルフィが戦う理由 黄金郷が空にあることをモンブラン・クリケットに教えるため、黄金の鐘を鳴らす ・デッケンのストーキングからしらほし姫を救う?ホーディを倒し、リュウグウ王国を救う?
・オトヒメ王妃の思想、数百年前の夢を叶える?

比較してみると、結構おもしろいですね。
島の対立関係とか、ルフィ達が島の問題に巻き込まれていくところなんかも、共通点が多いような気がします。

■ルフィが戦う理由

空島編では悪役の神・エネルによって、スカイピア崩壊の危機に晒されていました。
でも、「黄金の鐘を鳴らんだ」という一心で、エネルに挑み、勝ったわけです。

ウソなんかついてなかった
だから下にいるおっさん達に教えてやるんだ
黄金郷は空にあったぞって
(略)
エネルなんかに取られてたまるか
でっけェ鐘の音はきっとどこまでも聞こえるから

黄金の鐘を鳴らすんだ ルフィ
鐘を鳴らす!(31巻)

鐘の音を鳴らせば、1万m離れた青海にもきっと届く・・・。
ルフィの中には、空島を救う事なんか頭の中にはないんですよね。
誰かのために、何かをしたい。その想いの結果、空島を救ったわけです。

魚人島編ではどうなるでしょうか。
ジンベエは「ホーディと戦うな」といい、魚人島にある問題の根深さを指摘し、歴史を話し始めます。


魚人島の歴史を聞くルフィ
お茶しながら、
真面目に話を聞くルフィ。

ルフィが何のために、誰(何)と戦うのか・・・。
うーん、わくわく。


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ワンピース ロビンの父親とゴール・D・ロジャーの話

2010年10月21日

麦わら一味の「親」シリーズ・・・というわけではないのですが、
この記事を書いたあと、ふとロビンの父親ってどんな人だろう?と思っていました。

今後の物語に繋がってくる可能性はほとんどないと考えてはいるのですが、
とりあえず話を振り返りながら考えていきます。

以下は妄想が多めの記事です。ご注意ください。
あと、「○年前」と書いていますが、すべて新章開始前が基準になっています。

■「ニコ」姓を受け継いだ理由と父の無念

ニコ・ロビンの母親はニコ・オルビア。
ロビンの母親、ニコ・オルビア
綺麗な人

ロビンは母方の「ニコ」姓を継いでいるわけですが、
ONE PIECEの世界では父方の姓を名乗る人もいれば、母方の姓を名乗る人もいます。
例えばルフィは父方の「モンキー」を、エースは母方の「ポートガス」を名乗っています。
エースの場合、彼の出生の問題もあったので特別かもしれないけど。

それに、ウソップやナミはそもそも「姓」がなかったりするので、
姓の有無、父・母方どちらを名乗るのかには深い意味がないのかもしれません。

ただ、ロビンの場合はこんなエピソードがありました。
オルビアがポーネグリフの探索チームとして海へ出る際のやりとり。

(仲間の一人)
子供に未練があるならやめておけ!!
旦那の無念ならおれ達が・・

(オルビア)
オハラの土地の学者だもの
先人達の意志は放棄できない
(ごめんねロビンすべての謎を解いて必ず帰ってくるからね)
(41巻)

旦那の無念・・・。
オルビアは「先人達の意志」と言っているので、シンプルに考えるとロビンの父親はオハラの考古学者。
そして、かつてのポーネグリフ探索チームのメンバー。
しかし、その途中で政府に捕らえられた、もしくは殺されたと考えるのが自然でしょうか。

であるならば、ロビンが生まれる前(28年前)には、すでに父親はこの世を去っていた。
だから、母親の姓を名乗っていた(受け継いだ)、ということになりそうです。

それにロビンは自分が「考古学者」であることを「そういう家系なの」(24巻)と話していました。
この「家系」はオルビアだけを指しているのか、それとも父親も含まれているのか。
ロビンは2才で母親と別れ、オルビアの顔も覚えていなかったので、
父の話を聞くタイミングはなかったように思うのですが、何か父の事を知っているのでしょうか。

で、ロビンの父親についてはこれしか情報がないので・・・、
はい、ここからは妄想全快でいきます。ご注意ください。

■ロビンの父親とロジャーとの繋がりを考えてみる

ロジャー海賊団がグランドラインを制覇したのは23年前。
その期間は3年間で26年~23年前ということになります。

ロビンが生まれる前に父親は死んだ、と仮定すると29年~28年前になるので、
ロジャーのグランドライン制覇の時期とは重なりません。

ただ、レイリーの話ではロジャーが不治の病になったのが26年前
そして、「双子岬のクロッカスを誘い、最後の航海に出た」と言っているので、
以前からも長い間航海を繰り返していた事は間違いないはずです。

以下、簡単な年表です。

【29年前~28年前】
・ロビンの父親、世界政府に殺される?
【28年前】
・ニコ・ロビン、生まれる
【26年前】
・ニコ・オルビア、ポーネグリフ探索チームの一員として海へ出る
・ロジャー、不治の病にかかる
・クロッカス、ロジャー一味の船医となり最後の航海へ出る
・ロジャー、空島に到達し黄金の鐘楼に古代文字を残す(ガンフォール曰く20年程前ですが詳細時期不明)
【23年前】
・ロジャー一味、グランドラインの制覇を成し遂げる
・ロジャー一味、船長命令により人知れず解散(世間からは謎の失踪と言われていた)
【22年前】
・ロジャー、自首する

で、レイリーはオハラとロジャー海賊団の行動を重ねる発言をしていました。

我々もまた・・・
オハラもまた・・・
少々急ぎすぎたかも知れん
(52巻)

世界政府によってロジャーが処刑された事、20年前オハラが世界政府に滅ぼされた事件。
レイリーはこの二つの事を言っていると思いますが、それ以外にも何か関係があるような言い方にも感じます。
ふむ、もしかすると・・・、

(1)ロジャーが不治の病をおして、最後の航海に出た理由
(2)空島にあったポーネグリフのテキストをラフテルに導いた事
(3)黄金の鐘楼に残したメッセージ

これらにはオハラの意志や知識も関わっていた、と考えられるかもしれません。
特に気になるのは、2番目のなぜロジャーはポーネグリフのテキストをラフテルへ導く事を知っていたかという点。
(グランドラインを制覇した後に空島に来た可能性もありますが。)

ロビンにはオハラの知識があり、いくつかのポーネグリフを読んできました。
そして、「情報を持つ石」「『情報を持つ石』の在りかを示す石」の2種類の石があって、
ポーネグリフを辿っていけば、いつかリオ・ポーネグリフが見つかると考えていました。
でも、ロビンはロジャーが残した「黄金の鐘楼に残したメッセージ」を読んで、
これまで読んだテキストをラフテルへ導く事でリオ・ポーネグリフが完成する仕組みを知るわけです。

リオ・ポーネグリフの謎に気付いたロビン
リオ・ポーネグリフの謎に気付いたロビン

例え、ロジャーが「万物の声を聞く能力」で古代文字の読み書きができたとしても、
彼の能力だけで、この事実に気付いたというのは、どうも気にかかるところ。
やはり、ここには過去のオハラの意志的なものが関わっているんじゃないか、と。
(ポーネグリフ自身の声や意志まで知る事ができたのかもしれませんけど。)

28年前、ロビンの父親がいたオハラの探索チームが「リオ・ポーネグリフが完成する仕組み」まで謎が解けるものの、
その情報をオハラに持ち帰る前に世界政府に殺されてしまった・・・・。
しかし、その途中のどこかでロビンの父親とロジャーは出会っていて
ロジャーはその事実を知った(彼の意志を受け継いだ)。
そして、ロジャーは空島でポーネグリフを読み、

我ここに至り この文を最果てへと導く
海賊ゴール・D・ロジャー

という言葉を黄金の鐘楼に残していたなら・・・。

これは「ロジャーから次世代へのメッセージ」という意味だけではなく、
間接的に「父親からのロビンへのメッセージ」という意味を持つことになるので、
ロビン好きとしては熱い!!かな、と思いましたとさ。

終わり。

えっ・・・、うん、ただの妄想です。
他にロビンの父親の意志を継いでいるのは、ドラゴンというのも考えたのですが、
とりあえず今回はこちらを記事にしました。

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ワンピース ルフィの母親と革命家ドラゴンの話

2010年09月17日

ワンピのない1ヶ月、皆様は如何お過ごしでしょうか。
ジャンプを読んでも、期待の新連載が始まっても、何か物足りないと感じる人も多いでしょう。
やっぱり、ワンピがないと・・・・、
そんなあなたの埋め合わせに少しでもしてもらえらばうれしいな、そんな話です。

以下はジャンプ最新号の内容を含んでいます。

■ルフィの母親の謎

ルフィの母親。
物語中盤の今でも、名前も存在も未だに明らかにされていません。
それどころか、作中ではルフィの母を連想させる台詞すら出てきていないのです。

フーシャ村の村長の「ダダンはこれを知っとるのか(45巻)」からダダンがルフィの母親説もありましたが、
59巻のエースとルフィの過去編で二人の育ての親だった事が明らかになりました。

母親についてはこのまま触れられる事無く物語が終了してしまうのか。それとも後半で鍵となる人物なのか。
気になるところですが、今後(過去編を含めて)登場すると考えたほうがきっとおもしろく読めるはず。

ということで、母親の人物像を探っていきますが、まずは父親であるドラゴンを振り返る必要があります。

■ドラゴンという男

思えば、ドラゴンが初登場したのは12巻の「伝説は始まった」、
ルフィの父親であることが判明したのは45巻の「びっくり箱」です。
そして、これまで革命軍の仲間にすら素性を明かさなかったドラゴンですが、
頂上戦争後にその正体(フルネームとガープ・ルフィとのつながり)が全世界に知れ渡ります。

得体の知れんボスが血の通った"人間"だったと
安心したようだ(第593話)

ドラゴンが「安心したようだ」と言うように、周りの仲間はその話を聞きながらすこし嬉しそうな表情をします。
以前は、勝利を喜ぶ兵士に「勝利を喜ぶな!戦争だぞ!(45巻)」と一喝する場面もありました。

ドラゴンに怒られていた人
ん?この怒られている奴見覚えが・・・
ズーム↓↓

ドラゴンに怒られていた人をズーム
この頭とゴーグルは・・・

 ドラゴンのそばで笑う同士
お前かよ!!
良かったね、クビにされなくて(笑)
(第593話)

10年前のゴア王国では多くの人々を救い、革命への参加を呼びかけていたので、
仲間たちの多くはドラゴンに救われた経験があるか、彼の意志に明確に賛同した者達なのでしょう。

世界政府からは世界最悪の犯罪者のレッテルを貼られても、
仲間からの信頼は相当厚いようだし、ルフィと同じように人を惹き付ける力がありそうです。

■ドラゴンの過去

ドラゴンの一番古い過去が描かれたのは0巻のロジャー処刑に立ち会う場面です。
しかし、なぜこの場にいたのか、このとき何を想っていたのかを読み取る事はできません。

偶然居合わせたのか、興味本位だったのか、それともロジャーと関わりがあるのか・・・
興味深いのは顔のマークがなかった事です。

ワンピース0巻 顔のマークがないドラゴン
ロジャーの処刑に何を想うのか(0巻)

もし顔のマークが「革命の志や誓い」を意味するものなら、
この時点ではまだ革命活動を始めていなかった可能性が高そうです。

そもそも、ドラゴンが革命家になる前は何をしていたのかも謎です。
最近まで、顔が割れても素性が分からない男だったわけですから、海兵だった可能性はほぼゼロでしょう。
ルフィに対しては「海賊か・・・それもいい」とつぶやいていたので、海賊だった可能性も低そう。
じゃあ、フーシャ村で悶々と暮らしていたのかといえばロジャー処刑の日にローグタウンにいたのだからそれも違う・・・

ONEPIECEでドラゴンに当てはまりそうな職業を探すと「冒険家」が当てはまりそうな気がします。
そう、タイヨウの海賊団を作り、奴隷だったハンコックを救った「フィッシャー・タイガー」と同じ職業です。
天竜人から奴隷を解放するというのも、今のドラゴンの革命と重なる部分がありますし・・・
まぁ、この辺は長くなりそうなので、別の機会に書きたいと思います。

話がそれましたが、ドラゴンの過去を簡単にまとめると、

22年前以前 ドラゴン誕生(ゴア王国の生まれ、年齢不詳)
22年前 ロジャーの処刑にいた。顔のマークはない。
22~18年前 ドラゴンとルフィの母親との出会い。
17年前 ルフィ誕生(ルフィはフーシャ村生まれ。)
17~11年前 ルフィの元から両親とも姿を消す。
10年前 ゴア王国で人々を救う。世界各地で同志集め。イワさんとくまがいた。顔のマークあり。
5~6年前 世界会議でドラゴンが危険視される。
現在 ルフィをローグタウンで見送る~バルティゴで各地の革命を指揮
今後 幹部召集。活動本格化?

こんな感じでしょうか。(青字はまだ分かっていない予想部分です。)

■ルフィの母親とは

重要だと思うのは青字の部分。ルフィが生まれる17年前の前後に何が起きたのかです。

・ドラゴンとルフィの母親との出会い
・ルフィの出産
・両親がルフィのもとから姿を消す
・ドラゴンが革命活動を志す事件

これらの出来事があるはずなのですが、実はその辺を匂わす場面がありました。
過去編でのドラゴンとサボのやりとりです。

(サボ)
おれは貴族に生まれて恥ずかしい!

(ドラゴンの心の声)
とうとう子供にコレを言わせるのか
ゴア王国!

サボの言葉とそれを聞いたドラゴンの表情
サボの言葉を聞き
ドラゴンは相当驚いています・・・(第586話)

口には出しませんが彼の怒りはゴア王国へ向かっています。
つまり、過去にゴア王国がサボと同じ言葉を別の誰かに言わせた事をドラゴンは思い出しているわけです。

わかるとも おれもこの国に生まれた
しかし まだおれにはこの国を変えられる程の力がない

続けてドラゴンが話したこの部分は、革命を志したきっかけがゴア王国にあることを意味しています。

そして、「サボの言葉」と「ゴア王国を変える力が欲しい」。
これを繋ぎ合わせて考えると、サボと同じ言葉を発した人物はドラゴンの愛した人、
つまりは、ルフィの母親ではないか
と思わされる・・・。
もしかして、ルフィの母親はサボと同じゴア王国の貴族ではないのか・・・、と。

過去編にはさらに気になる場面があって、ゴア王国の国王の顔が隠されていました。

謎の人物、ゴア王国の国王
吹き出しで、顔が隠される謎の人物(第586話)

おそらく、再び登場する重要人物だからなのだと思いますが、
もし、ルフィの母親が貴族でゴア王国の王女だったとすれば、
ルフィの(母方の)祖父にあたる人物になるので、顔が隠されていたのも納得できます。

ゴア王国の王女と一般市民であるドラゴンが出会いルフィが生まれる。
しかし、それを許さなかったゴア王国(貴族社会・隔離社会)の「自由とは反対の何か」に、
王女は追い詰められ、サボと同じ言葉を残してこの世を去らなければならなかった・・・。

この国こそ世界の未来の縮図だ
いらぬ物を淘汰した世界に
幸せなどまっていない


いつの日か必ずおれはこの世界を変えてみせる
こんな国にも子供達は生まれてくるのだ(第587話)

ゴア王国はドラゴンが愛し、ルフィの母親となった王女すらいらぬ物として淘汰してしまったのでしょうか・・・

それに、ドラゴンの言葉からは「この国の子供達の未来のため戦っている」意志が伝わってきますが、
その中には、子を想う母親の意志も内在しているような気がしています。

■あとがき

母親のエピソードとしてはありきたりな感じはしますが、
これまでの話の流れには合っているのかなと勝手に思ってます。

死んでしまったことが前提になっていますが、まだ生きているかもしれませんし、
あくまでも妄想の一つということで・・・

あと、ルフィの性格は常に楽観的、能天気、深く考えずにすぐに行動に移すタイプですよね。
(2年後はどうなってるのか、分からないけど。)
一方、ドラゴンは慎重で、計画的で、相当用心深いタイプのように感じます。
ルフィとドラゴンの性格は正反対・・・、ということはルフィが似たのは母親の方なのかな・・・、と思ったり。

ルフィのお母さん。
貴族でありながら、人を差別せず、誰にも平等に接する明るい人だったらいいなぁと思うなー。

終わり。


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ワンピース 勝者の「正義」と海軍の「正義」について

2010年08月28日

■勝者だけが正義

海賊は悪、海軍(世界政府)は正義。
ワンピースの世界ではこの構図で物語が描かれています。
海賊が市民に被害を与え社会の秩序を乱そうとする存在である以上、この構図は正しいです。

でも、そもそも「正義」って一体何・・。
難しい言葉で、議論を始めると終わりのない話になりそうですが、ワンピースの世界の中では、
世界政府の法や秩序を維持するための道具(大義名分)として「正義」が使われている事が多いようです。

物語が進むにつれ世界政府が起こしていた事件、思想、作ろうとしている社会など明らかにされ、
世界の背景が少しずつ分かってきています。

・20年前のオハラでの避難船の撃沈
・シャボンティ諸島に残る奴隷文化と人身売買
・ロビンが飛ばされたテキーラウルフの強制労働
・10年前のゴア王国の隔離社会(差別社会)

これらは「悪行」とも言える一面をもっていて、世界政府が一般の人々にとって、
本当に正しい存在なのか、疑問を抱かせる行為でもあります。

世界政府に従わないもの、法を守らないものはいかなる場合でも罰せされ、
時には一般市民の犠牲も厭わない。けれど、天竜人だけはすべてが許されている・・・

そして海の治安を守る一組織である海軍はその世界政府の法に従った「正義」を掲げます。

一方、「正義」についてマリンフォード頂上戦争の最中、
王下七武海のドンキホーテ・ドフラミンゴはこのように叫んでいました

頂点に立つものが善悪を塗り替える
勝者だけが正義だ(57巻)

800年前に世界の頂点にたった世界政府・・・、この組織が今の正義であり、
もし、世界政府を倒すものが現われれば、それがまた新しい「正義」となり得ると。
これはあくまで彼の見方ですが、王下七武海という中立的な立場にいるからこそ、
客観的に、的確に「正義」を語っていると思います。

しかし、頂点に立つ勝者のみが持ちえるもの、それが「正義」であるならば、それは絶対的なものではありません。
ドフラミンゴの言うとおり頂点が入れ替われば、正しいとされていた「正義」も入れ替わってしまうからです。

■正義から信念へ、サウロの変化

一方、大将青キジやスモーカーなど海兵の中には、自らの信念で動く人もいます。
ですが、例え彼らでも「正義」を背負う以上、自らの「信念」は押し殺しているようにも見えます。

20年前、海軍中将だったハグワール・D・サウロは法を犯すオハラの学者たちに直接触れることで、
「正義」に疑いを持ち始めます。

(サウロ)
奴ら(オハラの学者)が悪だという証拠をくれ
(センゴク)
政府を疑う気か・・・黙って従え!!(41巻)

当時大将だったセンゴクに問い詰めてもサウロが求める答えは返ってきませんでした・・・。
そして、サウロは海軍の「正義」を捨てる決断をし、自分の正義(信念)を信じるようになります。

法律どおりであれ 今回の作戦はあまりに横暴だで
ワシの正義に従ったまでだ

何が正義か今はわからんで
ワシはただ友達を守る!(41巻)

正義が何か分からない・・・。だから、自らの信念に従って「友達(ロビン)を守りたい」。
このサウロの心理変化はまさに「正義」から「信念」へのシフトであり、
彼の重きが秩序(ルール)から自らの信じる事に変わっていく場面でもあります。

反対にサウロと対峙した親友の青キジ(当時中将)は、

正義なんてのは立場によって形を変える
だからお前の正義も責めやしない

ただおれ達の邪魔をするなら
放っておけねェ(41巻)

と「正義」が立場により形を変える相対的なものであると認めながらも、
親友よりも「正義」を選びサウロを氷漬けにするのです。
ですが、その後の青キジの行動は矛盾していて、ロビンを「サウロの意志」として生かします。
青キジも表向きは「正義」を選ぶものの、結局、「正義」を貫くことはできませんでした。

■滅びることがない正義

ドフラミンゴは勝者だけが正義と言いましたが、海軍本部の頂点に立つセンゴクの正義とはこのようなものでした。

悪党共の横行を恐れる世界中の人々にとっては
ここに我々がいる事に意味があるのだ
仁義という名の「正義」は滅びん(59巻)

悪行(危険)から人々を守る事が正義であり、道徳しての「正義」の事を言います。

センゴクがこの正義を叫んだ背景にはその相手が「黒ひげ」だったからなのかもしれませんが、
その正義は滅びる事はなく、海軍の存在意味はそこにあるのだと主張します。

センゴクがただの「正義」ではなく、「仁義という名の『正義』」と意味を加えているのは、
勝者(世界政府)の「正義」は時代が変われば移ろうものだが、我々海軍の本当の「正義」が失われる事はないと、
海兵としての誇りを見せているようでもあります。

世界政府の法を守るため(空白の100年の不都合を隠すための)の「正義」と海軍の本来あるべき「正義」。
海軍はこの2つの「正義」の間で今後いろんな変化が起きていくのではないかと感じています。

■「正しくない海兵」と「正しい海兵」

コビーはルフィと出会ったとき、こんなことを言っています。

ぼくはきっと正しい海兵になるんです
ルフィさんが海賊王になるように
だけどあなたたち二人には
自分の信念に生きる事を教わりました(1巻)

当時のコビーは斧手のモーガンを悪い海兵として捉え、ルフィたちが自らの信念に生きる姿を見て、
「正しい海兵」を夢見ます。
そして、少し成長したコビーは頂上決戦の終盤、戦争をこれ以上続けないように、
大将「赤犬」の前に立ちふさがり、命懸けの信念をみせるのですが、赤犬にはあっさりと否定されてしまいます。

数秒無駄にした
正しくもない兵は海軍にゃいらん(59巻)

赤犬は海賊を完全な悪と見なし、法のためなら一般市民が乗る避難船を撃沈するような男なのですが、
彼がここまで徹底した正義を貫く理由は今のところ分かりません。
分からないのですが、コビーとの対比で考えると、信念の有無がその違いを生み出しているように思います。
コビーは自らの信念に生きながら、どのようにして「正しい海兵」となるのか、赤犬の価値観を変えるほどの
成長を見せることができるのか、この辺はとても興味があります。
あとがき。
本当はルフィの信念の話もまとめて書くつもりだったのですが、
長すぎたので分ける事にしました。たぶん続きます。

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